4/23/2012

『動物とは「誰」か?』について④ 目次の紹介

2012年4月25日発売の新著『動物とは「誰」か? 文学・詩学・社会学との対話』(波戸岡景太著、水声社)の目次をご紹介します。
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動物とは「誰」か?——文学・詩学・社会学との対話(エコクリティシズム・コレクション)
目次
Ⅰ 動物論のための「アニマルズ」小論
Ⅱ 人間、この猟奇的なもの——社会学者、大澤真幸との対話
Ⅲ 擬態の文学——小説家、古川日出男との対話
Ⅳ 毛皮を脱いで走る犬——詩人、管啓次郎との対話
Ⅴ 私は「誰」を食べているのか——サリンジャーの短篇「フラニー」を誤読する
参考文献
あとがき
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『動物とは「誰」か?』について③ 大澤真幸氏との対話

社会学と文学は、じつはそんなに簡単に折り合いのつくものではない。大澤氏の言葉を書き起こしながら、私は静かに直観した。社会学は文学のなかにすら「社会」の喧騒を聞き、文学は社会学のなかにすら「物語」の醍醐味を味わう。本書の第Ⅱ部「人間、この猟奇的なもの 社会学者、大澤真幸との対話」には、だから、氏とのやりとりのみならず、私個人による大澤真幸論も挿入されている。ダイアローグとモノローグ。ふたつの語りの切り替えを行うことで、大澤真幸という「作家」をめぐっての、もうひとつの対話/読解を実践すること。こうした本書の構成(対話+論)は、続く古川氏や管氏のパートにも引き継がれた。結果として、『動物とは「誰」か?』は、通常の意味での「対談本」ではなくなったけれど、それは私が、「折り合い」ではなく「読み合い」を心がけたからだ。対話をまとめるその過程で、私はたとえば、大澤氏の最新シリーズ『〈世界史〉の哲学』(講談社)を何度となく読み返していた。

大澤真幸『〈世界史〉の哲学 古代篇』(講談社、2011年)

『動物とは「誰」か?』について② 管啓次郎氏との対話

「詩は、動物を『対象』にはしない。そこでは、主客が未分なままというか、対象も何もなしに、いわば『関係性』だけが現われてくる。そうしたことを求めて、〔ぼくは〕詩を書いている。」(『動物とは「誰」か?』第Ⅳ部「毛皮を脱いで走る犬 詩人、管啓次郎との対話」より)

詩人であり、批評家であり、翻訳家である管氏の言葉は、読み返すたびに、まるで波打ち際の波のように〈あなた〉の居場所を洗い出してくれるだろう。なぜ〈あなた〉は詩を読むのか、なぜ〈あなた〉は批評を試みるのか、なぜ〈あなた〉は〈あなた〉であり続けられるのか――。詩集『Agend'Ars』(管啓次郎著、左右社)シリーズとともに、このパートをお読みください。

管啓次郎著『島の水、島の火 Agend'Ars 2』(左右社、2011年

『動物とは「誰」か?』について① 古川日出男氏との対話

本書の第Ⅲ部をなす古川日出男氏との対話「擬態の文学」では、やはり今月27日に刊行が予定されている古川氏の最新小説『ドッグマザー』(新潮社)をめぐっての、もっとも早い「批評的読解」が展開されています。そして、古川氏の膨大な著作リストを横断しつつ、そこに描き出された動物たちの生と死を考えていくダイアローグのその先には、古川氏の故郷=福島に対する強く深い想いが立ち上がってきます。古川ファンのみならず、これから古川文学の門を叩かれる方にも、ぜひ読んで頂きたいパートです。

古川日出男『ドッグマザー』(新潮社、2012年4月27日発売予定)

青年は愛する老犬を道連れに長い旅に出る。京都へ。その地下世界へ。
前世を売る謎の教団の女教祖と姉弟たち。
僕はここ京都で聖家族を作る。
第一部「冬」、第二部「疾風怒濤」、第三部「二度めの夏に至る」
――ポスト3・11の想像力が爆発する圧倒的小説世界!
(新潮社HPより)

3/12/2012

【近刊情報】『動物とは「誰」か? 文学・詩学・社会学との対話』

2011年に拙著『ピンチョンの動物園』と『コンテンツ批評に未来はあるか』を刊行いただいた水声社より、今年4月下旬(~5月上旬)を目標に、目下、新刊の準備中です。

『動物とは「誰」か? 文学・詩学・社会学との対話』という題を持つ本書は、小説家の古川日出男氏、社会学者の大澤真幸氏、そして詩人の管啓次郎氏をゲストに迎え、「動物」という、この不可解な存在をめぐる対話/批評を展開するものです。拙論2本「動物論のための『アニマルズ』小論」と「私は『誰』を食べているのか――サリンジャーの短編『フラニー』を誤読する」も、併せて収録の予定。

詳細が決まり次第、またここで、ご報告します。

3/11/2012

これまでに執筆したもの、これから発表するもの

《単行本》
【単著】『動物とは「誰」か? 文学・詩学・社会学との対話』
  (水声社、2012年4月発売)
【単著】『コンテンツ批評に未来はあるか』
  (水声社、2011年11月発売)
【単著】『ピンチョンの動物園』
  (水声社、2011年7月発売)
【単著】『オープンスペース・アメリカ――荒野から始まる環境表象文化論』
  (左右社、2009年10月発売)
【共著】『混成世界のポルトラーノ』
  (左右社、2011年12月発売)

《論文、エッセイ、コラムなど》
   ・・・・・・・・・・2011年・・・・・・・・・・
【論文】「カエルとカタツムリ:“Franny”(1955)とMargaret A. Salingerのメモワール」
  (『関東英文学会』第4号、2011年)
【連載コラム#11】「彼らを抱きしめてはいけない:三沢厚彦「アニマルズ」の誘惑」
  (『現代詩手帖』2011年11月号)
【連載コラム#10】「Dメールが届いたら:『シュタインズ・ゲート』の起源神話」
  (『現代詩手帖』2011年9月号)
【論文】「永遠にSFになり切れない」
  (『SFマガジン』2011年10月号)
【論文】「見えない樹木たち:「反日本文学的」作家たちの風景」
  (『文学と環境』2011年8月)
【エッセイ】「タスマニア、タスマニア! Richard Flanaganの誘惑」
  (『英語教育』8月号、特集「夏休みは洋書三昧 思い出の本・おすすめの本)
【連載コラム#9】「アトムとタワーとラーメンズ:「なつかしさ」の力学を求めて」
  (『現代詩手帖』2011年7月号)
【書評】「刑務所図書館の人々」
  (『週刊文春』6月9日号)
【連載コラム#8】「クマが自伝を書く理由:多和田葉子『雪の練習生』」
  (『現代詩手帖』2011年5月号)
【エッセイ】「サルスベリの立つところ」
  (『文學界』2011年5月号)
【章担当】「第6章「ポスト・ウェスタンの風景論:ゴーストタウンはいかにして『本物』となるのか」
  『〈風景〉のアメリカ文化学』(野田研一編、ミネルヴァ書房、2011年)
【連載コラム#7】「サンプリング・ザ・フューチャー:マーティ世代の〈未来〉は今」
  (『現代詩手帖』2011年3月号)
【紀要論文】「デトロイト・イズ・ビューティフル:ヒップホップ文化とアメリカ都市空間のクレオル性」
  (『明治大学教養論集』2011年3月)
【連載コラム#6】「独白者はかく語りき:ハルキからハルヒ、そしてモリミへ」
  (『現代詩手帖』2011年1月号)
【連載エッセイ#6】「Everybody Loves Nevada! 第6回 現代西部のローカリティ」
  (『英語教育』2011年3月号)
【連載エッセイ#5】「Everybody Loves Nevada! 第5回 追憶のポニーエクスプレス」
  (『英語教育』2011月2月号)
【連載エッセイ#4】「Everybody Loves Nevada! 第4回 ワイルド・ホースのネヴァダ」
  (『英語教育』2011年1月号)
  
  ・・・・・・・・・・2010年・・・・・・・・・・
1.【新聞コラム】「公と闘う『隠遁者』」(世界の文学)
  (『東京新聞』11月18日夕刊)
2.【連載エッセイ#3】「Everybody Loves Nevada! 第3回 砂煙の町のプライド」
  (『英語教育』、2010年12月号)
3.【連載エッセイ#2】「Everybody Loves Nevada! 第2回 ヴァージニア・シティにようこそ」
(『英語教育』、2010年11月号)
4.【大学紀要】「オープンスペース再考:核のゴミと行動する文学」
  (『明治大学教養論集』、2010年11月)
5.【新連載エッセイ#1】「Everybody Loves Nevada! 第1回 ポスト・ウェスタンに生きる」
  (『英語教育』、2010年10月号)
6.【連載コラム#4】「ゴーストシティに生まれて――エミネム、デトロイト、ヒップホップ」
  (『現代詩手帖』8月号、2010年7月31日)
7.【論文】「日本の森のあいまいな私」
  (『水声通信:特集エコクリティシズム』(2010年7月20日)
8.【連載コラム#3】「ノイズ・ノイズ・ノイズ:村上春樹の『1Q84』は、なぜノスタルジックに響かないのか」
  (『現代詩手帖』6月号、2010年5月30日)
9.【エッセイ】「うぬぼれ鏡のメディア論――なぜ伊丹十三はテレビを捨てたのか」
  (明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻DC系論集『Via Media』、2010年3月)
10.【連載コラム#2】「予告篇の男――円城塔はなぜ語り止まないのか」
  (『現代詩手帖』4月号、2010年3月29日)
11.【英文書評】"Kiyoko Magome, The Influence of Music on American Literature Since 1890: A History of Aesthetic Counterpoint"
  (『英文学研究』(英文号)第51号、2010年3月)
12.【連載コラム#1】「八・六光年の孤独――新海誠の速度と時間」
  (『現代詩手帖』2月号、2010年1月)

・・・・・・・・・・2009年・・・・・・・・・・
10.【書評】「リマスタード・ピンチョン――最新長編 Inherent Vice を読む」
  (『英語青年』Web版、2009年10月号)
11.【作品解説】「『重力の虹』ピンチョン」
  (『アメリカ文学 名作と主人公(明快案内シリーズ)』、自由国民社、2009年9月)
12.【学会誌】"The Sea Around Them: Thoreau, Carson, and The Crying of Lot 49"
  (『アメリカ文学研究(英文号)』第45号(2009.2),pp.-)
13.【大学紀要】「不都合な小説:Against the Dayの「アメリカ」と「惑星」」
  (『明治大学教養論集』(2009.3). pp-)
14.【大学紀要】「臍と男とサイバネティックス:V.再読」
  (『明治大学教養論集』(2009.1). pp-)
15.【連載コラム】「海外新潮#4:ネヴァダを綴る」
  (『英語青年』2009年2月号)

・・・・・・・・・・2008年・・・・・・・・・・
16.【連載コラム】「海外新潮#3:ゴミに飛び込む」
  (『英語青年』2008年11月号)
17.【大学紀要】 "Alligators Bleeding under the Street: Landscapes of Super-Coformism in V."
  (『明治大学教養論集』第438号(2008.10), pp.111-138)
18.【大学紀要】 "An Ecology of Representations: Zak Smith and Thomas Pynchon"
  (『日吉紀要 英語英米文学』No.53 (2008.10))
19.【連載コラム】「海外新潮#2:Gravity's Rainbowの今」
  (『英語青年』2008年8月号)
20.【連載コラム】「海外新潮#1:Pynchon研究と〈注釈〉」
  (『英語青年』2008年5月号)
21.【新刊紹介】 「スコット・スロヴィック他編著『環境正義とエコトピアの文学』」
  (「アメリカ学会会報」167号、2008年7月)
22.【大学紀要】 "Do Pynchon's Dogs Have Their Day?: The Return of Pynchon as a Postmodern Ecologist"
  (『明治大学教養論集』第429号(2008.1), pp1-33)

・・・・・・・・・・2003~2007年・・・・・・・・・・
23.【学会誌】「動物たちの困惑: トマス・ピンチョンのポストモダン・エコロジー」
  (『アメリカ研究』第41号、特集:「自然と環境」(2007.3), pp93-112)
24.【大学紀要】"Nostalgia and Extinction Narrative: A Comparative Study of Popular Science Writers and Postmodern Novelists"
  (『日吉紀要 英語英米文学』 No.49 (2006. 9), pp1-14)
25.【映画解説】「触れること、拒むこと、愛を伝えること」
  (映画『ニュー・ワールド』(松竹, 2006)劇場用プログラム)
26.【共訳】「書くプロセスをめぐって テリー・テンペスト・ウィリアムスとの会話」
  (インタビュア=フェイ・ビービー、訳=野田研一、結城正美、波戸岡、『文学と環境』第8号(2005.10), pp5-21)
27.【学会誌】「犬たちの沈黙:Mason & Dixonにおける表象の可能性」
  (『アメリカ文学研究』第41号(2005.2), pp53-69)
28.【学会誌】"American Bugs: The Representation of Wildlife in Thomas Pynchon's Mason & Dixon"
  (『文学と環境』第6号 (2003.10), pp71-79.)
29.【大学紀要】"'I am not she, but a Representation': Feminism, Gothicism, and the Politics of Mason & Dixon"
  (『藝文研究』No.84(2003), pp177-163.)

1/30/2012

2月19日、刊行記念イベント開催です。

『混成世界のポルトラーノ』刊行記念イベントを、下記の要領で行います。入場は無料(ただし要予約)。二つの対談と五つの朗読で構成された90分。ぜひ、お越しください!

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『混成世界のポルトラーノ』刊行記念イベント
管啓次郎・林ひふみ・清岡智比古・波戸岡景太・倉石信乃
「私たちが海の向こうで学んできたこと」

ポルトラーノ――。それは大航海時代に、イタリア、ポルトガル、スペインなどで作成された航海図のこと。外国文学や表象芸術を通じて、あるいは実際にその場へ身を運んで、現代世界を旅してきた5人が、写真とテクストで描き出した〈ポルトラーノ〉。『混成世界のポルトラーノ』という書物のかたちをとった、各人の経験と時間をめぐってお話しします。

【日時】2012年2月19日(日)16時00分〜
【会場】Bibliothèque(ビブリオテック/東京・千駄ヶ谷)
    http://www.superedition.co.jp
【料金】無料、ただし事前予約が必要です。
【受付】左右社ならびに上記ビブリオテックにて、メールまたはお電話でご予約ください。
    ◉左右社:info@sayusha.com, TEL: 03-3486-6583
    ◉ビブリオテック:biblio@superedition.co.jp, TEL: 03-3408-9482

12/10/2011

最新刊『混成世界のポルトラーノ』、発売中です。

明治大学理工学部総合文化教室の先生方とともに作った、紀行批評文集『混成世界のポルトラーノ』が、今月7日、いよいよ発売開始となりました。書店でお見かけの際は、ぜひご一読を!(書影は、右の「共著紹介」にあります)

【目次】
・巻頭詩 ポルトラーノのために……管啓次郎
・北京、南台湾、ボルネオ……林ひふみ
・大連、モントリオール、パリ……清岡智比古
・ダッハウ、ネヴァダ、タスマニア……波戸岡景太
・デリー、大東島、洛山……倉石信乃
・ヒロ、ラハイナ、ホノルル……管啓次郎

【著者紹介】
管啓次郎 比較詩学。主な著作に『コロンブスの犬』(河出文庫)、『斜線の旅』(インスクリプト、第62 回読売文学賞受賞)がある。
林ひふみ 中文コラムニスト(筆名 新井一二三)、中国語圏映画研究。主な著書に『中国語はおもしろい』(講談社現代新書)、『独立、従一個人旅行開始』(上海訳文出版社)、『台湾為何教我哭(なぜ台湾は私を泣かせるのか)』(台北大田出版)がある。
清岡智比古 フランス文学・文化。主な著作に『東京詩――藤村から宇多田まで』(左右社)、『小さな幸福』(小沢書店)がある。
波戸岡景太 アメリカ文学・文化。主な著作に『オープンスペース・アメリカ――荒野から始まる環境表象文化論』(左右社)、『ピンチョンの動物園』『コンテンツ批評に未来はあるか』(共に水声社)がある。
倉石信乃 近現代美術史・写真史。主な著作に『反写真論』(オシリス)、『スナップショット――写真の輝き』(大修館書店、二〇一一年日本写真協会賞学芸賞受賞)がある。

11/27/2011

『コンテンツ批評に未来はあるか』、発売開始です。

今週から、私の第3批評集『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)が店頭に並び始めました。アマゾンでも購入可能です。本書の目次は、以下の通り。ご一読のほど、よろしくお願いいたします!

 *

波戸岡景太著
『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社、2011年)

Dメールが届いたら
 ・物質と記憶
 ・『シュタインズ・ゲート』とコンテンツ産業
 ・「原作」という名の起源神話
八・六光年の孤独
 ・新海誠の速度と時間
 ・数値化される「孤独」
 ・ノスタルジアの時間圧縮
予告篇の男
 ・円城塔の自動記述
 ・始まる前から終わっている物語
 ・永久機関のように語ること
アトムとタワーとラーメンズ
 ・にぎやかだった未来
 ・平凡な二十一世紀
 ・なつかしさの力学
サンプリング・ザ・フューチャー
 ・タイムトラベルとリーダーシップ
 ・ジョージ・マクフライふたたび
 ・マーティー世代の未来は今
ゴーストシティに生まれて
 ・ヒップホップという場所
 ・エミネムのアメリカ
 ・二重否定の「ビューティフル」
廃墟というコンテンツ
 ・記憶の町、ラスト・チャンス
 ・ゴーストタウンの「原作者」
 ・批評家たちの砂漠的ヴィジョン
永遠にSFになり切れない
 ・コンテンツとしてのピンチョン文学
 ・ピンチョンはSFなのか?
 ・二段構えのノスタルジア
独白者はかく語りき
 ・ハルキからハルヒへ
 ・ライトノベルの綿布団
 ・森見登美彦の二枚舌
クマが自伝を書く理由
 ・たとえの連鎖
 ・調教の記憶――『雪の練習生』
 ・予告する自伝
うぬぼれ鏡の向こう側
 ・鏡というメディア
 ・コンテンツ作家・伊丹十三
 ・技術と表現のはざま
ノイズ・ノイズ・ノイズ
 ・『1Q84』のマゾヒズム
 ・レキシをかきかえる
 ・コンテンツ化する世界の終わりで
見えない樹木たち
 ・「風景」の使用法
 ・村上春樹と丸谷才一
 ・俳句とハイク
日本の森のあいまいな私
 ・『もののけ姫』の企画書
 ・大江健三郎と『ひぐらしのなく頃に』
 ・そして〈森〉はループする

【巻末エッセイ】サルスベリの立つところ

参考文献
謝辞

 *

また、今回の出版に関連して、次のような出版イベントを行います。

 *

■ 波戸岡 景太『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行記念

コンテンツ批評とはなにか?
波戸岡 景太(アメリカ文学者)× 大澤 真幸(社会学者)

2011年12月8日(木)19:30~

「コンテンツ」は、デジタル化が進行する現在のメディア状況のなかで、
おそらくもっとも流布しているキータームです。
これは、映像であれ楽曲であれテキストであれ、その作り手と受け手との
あいだをとりもつメディアが発達し、多様化した結果、
逆説的に売り買いされることになった作品の、「中身」「実質」「意味」を
あらわす言葉ですが、では、その「コンテンツ」を「批評する」とは、
具体的にどういうことでしょうか?
今回は、アメリカ文学者の波戸岡景太さんの新著、
『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行※を記念して、
いま論壇にもっとも精力的に発言している社会学者・大澤真幸さんをゲストに、
アニメ化も話題のゲーム『シュタインズ・ゲート』から、
アメリカ現代文学の最高峰トマス・ピンチョンの世界に至る、
幅広いコンテンツの〈群れ〉を対象に、
新世紀の「批評」を対話的に実践する試みとなります。

波戸岡景太(はとおか・けいた)
1977年、神奈川県に生まれる。明治大学准教授。専攻、アメリカ文学。
著書に、『ピンチョンの動物園』(水声社)、『オープンスペース・
アメリカーー荒野から始まる環境表象文化論』(左右社)がある。

大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年、長野県に生まれる。社会学者。月刊誌『THINKING「O」』主宰。
著書に『身体の比較社会学』(I・II、勁草書房)、『増補 虚構の時代の果て』
(ちくま学芸文庫)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)などがある。

『週刊文春』に、鴻巣さんとの対談が掲載されました。

今週発売の12月1日号『週刊文春』に、「鴻巣友季子×波戸岡景太 この冬、海外文学はこれを読め」と題された対談が掲載されています。お手にとっていただけると幸いです。

11/07/2011

第3批評集、刊行間近です。

私の第3批評集となる『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)が、いよいよ今月下旬に刊行されることとなりました。ゲーム『シュタインズ・ゲート』に内在するコンテンツ産業の葛藤から、ラーメンズと星新一の奇妙な邂逅、そして大江健三郎と『ひぐらくしのなく頃に』を貫くナラティヴの問題に至るまで、『現代詩手帖』での連載を中心に、可能な限り《中身そのもの》の方へと向っていく批評集です。書店で見かけた際には、ぜひお手に取ってみてください!

10/08/2011

連載「ノスタルジアの未来」、いよいよ最終回。


2010年より『現代詩手帖』にて隔月連載をしてきました「ノスタルジアの未来」も、今月末発売の11月号で最終回を迎えます。今回は、個性的な動物たちの木彫で知られる三沢厚彦ワールドの魅力/誘惑に迫ります。お手にとっていただければ幸いです。

10/04/2011

12月8日に大澤真幸さんとトークショー(予告)

まだ2ヶ月ほど先ですが、12月8日(木)19:30より、ジュンク堂書店池袋本店にて、社会学者の大澤真幸さんとトークセッションを行います。タイトルは「コンテンツ批評とはなにか?」の予定です。詳細が決まり次第、またご報告します。

日本アメリカ文学会のシンポジウムに参加します。

今週末に関西大学で開催される日本アメリカ文学第50回全国大会。私は、2日目のシンポジウム「あめりか・いきものがたり――動物表象をめぐって」に、講師の一人として参加します。報告内容は、ニューヨーカーの漫画から『白鯨』や『ホワイト・ファング』といった古典を経由して、ピンチョンの動物表象に至るものとなる予定です。

8/11/2011

連載「ノスタルジアの未来」、次回は『シュタインズ・ゲート』です。


ゲームからアニメへ。コンテンツ産業にとって「原作」とはいったい何なのか。最近、学生たちのあいだでも話題の『シュタインズ・ゲート』。『現代詩手帖』来月号の担当コラムでは、その世界に、ノスタルジアという切り口から挑戦してみたいと思います。タイトルは「Dメールが届いたら――『シュタインズ・ゲート』の起源神話」です。ぜひ、ご一読を!

『SFマガジン』10月号に寄稿しました。

『SFマガジン』にて連載中の「現代SF作家論シリーズ」に、私も参加させていただくこととなりました。担当は第9回、タイトルは「永遠にSFになり切れない」です。発売は8月25日。ぜひご一読を!

7/20/2011

『ピンチョンの動物園』の目次です。

『ピンチョンの動物園』波戸岡景太著

目次

 はじめに ピンチョンの動物園へようこそ
 ・サシツキーの猿
 ・動物園という批評空間
 ・オリエンタリズムというワクチン
 ・動物園化するポストモダン
 ・未知との遭遇が始まる

第一部 『V.』から『重力の虹』まで
 
 第1章 鰐とアメーバ
 ・『V.』の成功
 ・下水道の鰐の文化論
 ・まだら鰐の輪廻
 ・ステンシルの痛み
 ・アメーバのように生きる

 第2章 境界線上のイルカ
 ・タッパー化するアメリカの叫び
 ・生真面目な『競売ナンバー49の叫び』
 ・レイチェル・カーソンの海
 ・境界線上のイルカ

 第3章 巨大蛸は咆えない
 ・絶望のサウンドスケープ
 ・『重力の虹』の聴覚
 ・インターフェイスを食い破る音
 ・カティエという仲介人
 ・美女と野獣のモチーフ
 ・スロースロップの海辺 
 ・なぜ「聴覚」なのか
 ・下水管から鍵穴へ
 ・グリゴリ/グリーシャのトリック

第二部 『ヴァインランド』から『インヒアレント・ヴァイス』まで
 
 第4章 すべての豚どもに死を
 ・ピンチョン文学の「後半戦」が始まる
 ・『動物農場』と『ヴァインランド』
 ・デズモンドの一日
 ・動物を所有するためのノスタルジア
 ・関係の物語

 第5章 犬たちの沈黙
 ・『メイスン&ディクスン』――アナクロニズムとしての歴史小説
 ・黒い犬のアメリカ
 ・想像された自然は想像できない
 ・そしてテリアは大地に還る

 第6章
 ・『逆光』か、『アゲインスト・ザ・デイ』か
 ・「家族小説」としての『逆光』
 ・『重力の虹』から遠く離れ――三男キットの場合
 ・注釈デッドヒート
 ・喋る犬から読む犬へ――パグナックスの場合
 ・アメリカの虫とメキシコの虫――次男フランクの場合
 ・SFを読む西部劇のアウトロー――長男リーフの場合
  
 おわりに ビッグフットはここにいる
 ・リマスタード・ピンチョン――『インヒアレント・ヴァイス』
 ・そして動物はいなくなった
 ・転地療養としての『ヴァインランド』
 ・ビッグフットはここにいる。


参考文献
あとがき
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6/28/2011

『ピンチョンの動物園』のカバー見本。

水声社より7月発売予定の『ピンチョンの動物園』。昨日、カバー見本が届きました。とても素敵な仕上がりです。

「あのバケモノを捕獲せよ! 壮麗無比なピンチョン文学の世界に挑む、冒険的/挑発的/独創的な作品論、ここに登場。」(帯文より)

*なお、発売時には変更の可能性もあります。

6/06/2011

新著『ピンチョンの動物園』(水声社)、7月上旬に刊行予定です。

第二著書『ピンチョンの動物園』(水声社)の刊行が、いよいよ来月に迫ってまいりました。水声社のホームページにて、本日より予告記事が掲載されております。

http://www.suiseisha.net/blog/

内容は、トマス・ピンチョンの全長編を「動物」をキーワードに読み解くというもので、第一部では『V.』から『重力の虹』までを、第二部では『ヴァインランド』から『逆光』までを、そして最終章では『インヒアレント・ヴァイス』を扱っています。

続報は、またこのブログにてお伝えします。どうぞよろしくお願いいたします。

6/03/2011

次回、「ノスタルジアの未来」はラーメンズです。

ラーメンズ、ごぞんじですか? シュールでありながら、どこか懐かしい、小林賢太郎と片桐仁のコントパフォーマンスの数々。たとえば「アトム」という作品はこんな感じ。

http://www.youtube.com/watch?v=VYV_LdD-YVQ

今月末発売の『現代詩手帖』では、星新一とラーメンズ、という一風変わったとりあわせで、ノスタルジアの力学というべきものに踏み込んでいきます。お時間があるかたは、ご一読のほどよろしくお願い致します。

5/31/2011

『週刊文春』に書評を寄稿しました。

6月第1週発売の『週刊文春』に、書評を寄稿しました。紹介する書籍は、『刑務所図書館の人びと――ハーバードを出て司書になった男の日記』(アヴィ・スタインバーグ著、柏書房)というノンフィクションです。ボストンの刑務所に「司書」という肩書で潜入する著者の体当たりレポートは、ヒップホップの歌詞の世界でしかなかった「ストリートのリアル」を、すぐ隣の現実のように語り聞かせてくれます。

4/29/2011

多和田葉子論、『現代詩手帖』5月号

『現代詩手帖』5月号に、連載「ノスタルジアの未来」の第8回が掲載されています。今回は、多和田葉子の『雪の練習生』についてです。ぜひ、ご一読を!

第8回「クマが自伝を書く理由:多和田葉子『雪の練習生』
第7回「サンプリング・ザ・フューチャー:マーティー世代の〈未来〉は今」
第6回「独白者はかく語りき:ハルキからハルヒ、そしてモリミへ」
第5回【対談】「トマス・ピンチョンと〈荒野〉の詩学」(古川日出男×波戸岡景太)
第4回「ゴーストシティに生まれて:エミネム、デトロイト、ヒップホップ」
第3回「ノイズ・ノイズ・ノイズ:村上春樹の『1Q84』は、なぜノスタルジックに響かないのか」
第2回「予告篇の男:円城塔はなぜ語り止まないのか」
第1回「八・六光年の孤独:新海誠の速度と時間」


4/08/2011

『〈風景〉のアメリカ文化学』が刊行されました。

ミネルヴァ社よりシリーズ刊行されている「アメリカ文化を読む」の第2巻として、野田研一編著『〈風景〉のアメリカ文化学』が発売となりました。私は第6章「ポスト・ウェスタンの風景論――ゴーストタウンはいかにして「本物」となるのか」を担当しています。野田先生には、たいへんお世話になった一冊です。ぜひお手に取ってみてください!

3/26/2011

『文學界』5月号にエッセーを寄稿しました

4月7日発売予定の『文學界』5月号にエッセーを寄稿しました。タイトルは「サルスベリの立つところ」。文章とは何か、詩とは何か、ということについて、私なりの体験を踏まえつつ綴ったものです。ご一読いただけたら幸いです。

2/14/2011

『英語教育』の連載(全6回)が完結しました。

10月号より半年にわたって連載してきました「Everybody Loves Nevada! トウェイン以後の西部をもとめて」が、今月発売の『英語教育』3月号にて、ついに完結しました。これまでお付き合いいただきました皆様に、心より感謝申し上げます。連載の各タイトルはこんな感じでした。

第1回「ポスト・ウェスタンに生きる」(2010年10月)
第2回「ヴァージニア・シティにようこそ」(2010年11月)
第3回「砂煙の町のプライド」(2010年12月)
第4回「ワイルド・ホースのネヴァダ」(2011年1月)
第5回「追憶のポニーエクスプレス」(2011年2月)
第6回「現代西部のローカリティ」(2011年3月)

最終回では、アメリカ西部限定のハンバーガーチェーン店の話から始まり、人口増加を続けるネヴァダ州の今にフォーカスをしていきます。ご一読のほど、よろしくお願い致します!

1/16/2011

ハルキからハルヒ、そしてモリミへ

『現代詩手帖』1月号に掲載した「ノスタルジアの未来」(第6回)は、村上春樹から「涼宮ハルヒ」を経て、森見登美彦にいたる現代日本の「独白者」をめぐるエッセイでした。

12/24/2010

『英語教育』連載エッセイ、第4回です。

連載エッセイ「Everybody Loves Nevada! トウェイン以後の西部を求めて」の第4回が掲載された『英語教育』1月号が発売されています。今回の旅は、ワイルドホースを探してネヴァダの荒れ地へ。そこからマリリン・モンロー最後の映画『荒馬と女』の世界へと入っていきます。ぜひご一読を!

11/20/2010

『東京新聞』「世界の文学」に寄稿しました

11月18日付の『東京新聞』夕刊に、トマス・ピンチョンについての記事を寄稿しました。タイトルは「公と闘う『隠遁者』。素顔を隠し続けて早半世紀、今年から翻訳の全集も刊行がスタートしたピンチョンの世界に迫ります。

11/12/2010

『英語教育』12月号発売です。


連載「Everybody Loves Nevada! トウェイン以後の西部をもとめて」(全6回)の連載も、いよいよ第三回に突入です。今回は、夏のヴァージニア・シティを訪れ、そこで開催されていたキャメル・レースに取材しています。ぜひご一読を!