ブログの説明

法政大学・波戸岡景太の公式ブログです。主に、自身の研究成果をお知らせします。

4/25/2019

今年度の授業と研究

2019年度も、気がつけばすでに3週目。授業も研究も、順調な滑り出しです。

今年度の英語は、「ドキュメンタリー・フィルム」と「アート・ヒストリー」がテーマ。貴重な映像資料を活用しながら、鑑賞力と語学力の両方のボトムアップをはかります。

また、少人数制の文化ゼミでは、ショートショートの神様・星新一を「精読」しています。なぜ彼の作品は「短すぎる」必要があったのか。フェミニズム批評、ポストコロニアリズム理論、そしてアダプテーション論などなどを応用しながら、まさかの深読み(!)を楽しく実践しています。

大学院では「メディア図書館論」を新たに担当。毎週さまざまな「図書館論」を読み解きながら、受講生一人ひとりに「理想の図書館」を模索してもらいます。

そして、研究面での今年度最初の成果物は、小鳥遊書房より近日刊行予定の単著『教師の悩みは、すべて小説に書いてある』です。夏目漱石の『坊っちゃん』から湊かなえの『告白』まで、日本の近現代小説に描かれた教師像を、「先生視点」から再読する、自分としてもかなり実験的な文学批評となりました。カバー見本が公開され次第、こちらのブログでもお知らせします。

さらに、この4月からは科学研究費の助成も得て、「ソラスタルジア研究を応用した環境表象文化史の構築」という個人プロジェクトも始まりました。"solastalgia"とは、ちょっと聞きなれない用語ですが、これは私が一貫して取り組んできたノスタルジア研究の進化形だと言えます。

この他にも、昨年度からのノベライゼーション論も、継続執筆中です。

さまざまな観点から文学に向き合い、そして、その成果をいかにして文学の外へと発信していくか。

今年度も、学生のみなさんと多くの知的冒険に乗り出していきたいと思います!